Preferred Networks (PFN)は、ライフサイエンス分野に機械学習・深層学習技術を応用し、創薬や、miRNA解析、医用画像解析などに取り組んでいます。特に創薬分野においては、タンパク質の構造ベース創薬と深層学習生成モデルを融合した分子設計を中心に研究開発をおこなっています。
分子設計プラットフォーム
Preferred Networksの創薬プラットフォーム
化合物生成実験管理
化合物生成モジュールとスコア計算モジュールを備えた分子設計プラットフォームを独自の計算機クラスター上に構築しています。各化合物生成モジュールとスコア計算モジュールをマイクロサービス化することで、柔軟な拡張を可能にしており、個々の創薬プロジェクトに最適な化合物生成条件を迅速に見出します。化合物生成モジュールでは、既存のアルゴリズムだけではなく、独自の生成アルゴリズムも開発・実装しており、より効率的に目的とする分子を得ることが可能です。
Blog記事: 深層強化学習を用いた化合物デザイン手法 - PFN Tech Blog
論文: Ishitani, R.; Kataoka, T.; Rikimaru, K. Molecular Design Method Using a Reversible Tree Representation of Chemical Compounds and Deep Reinforcement Learning. J. Chem. Inf. Model. DOI: 10.1021/acs.jcim.2c00366.
分子設計サービス
典型的な分子生成実験ワークフロー
分子設計プロジェクトスケジュール例 (初期提出まで)
上記プラットフォームを用いて、新規化合物を設計・創出します。個々の創薬プロジェクト特有の複雑な化合物要件 (活性・物性・望ましい/避けるべき部分構造要件、など) に対応するため、初期的な化合物要件の設定後、実際に生成した化合物の結果をご確認いただきながら生成条件のアップデートをおこないます。この生成・確認・条件アップデートのサイクルを複数回すことで適した条件を見出し、望みの化合物取得を実現します。その後、化合物の絞り込み・選択を行い、実際の化合物合成・アッセイに進めます。
リガンド-タンパク質複合体解析
ドッキングシミュレーション
ベンチマーク結果
上記分子設計プラットフォームではドッキングシミュレーションを用いた構造ベースの手法をスコア関数として活用しています。当社の計算機クラスター(MN-2)を活用した並列化にも取り組んでおり、GPUを活用した並列化ベンチマークではCPUに比べて20倍以上の高速化に成功しています。これにより、数十万から数億にのぼる化合物のドッキングシミュレーションが可能です。ドッキングシミュレーションによる評価後、さらに化合物を絞り込む目的で分子動力学計算やFEP (free energy pertubation)法による、結合自由エネルギー計算も実施しています
Blog記事: GPUを用いたタンパク質・化合物ドッキングシミュレーションの高速化 - PFN Tech Blog
分子設計プラットフォーム適用例
創薬プラットフォームを用いた新規COVID-19 Mpro阻害剤の同定
新規除草剤候補化合物の同定
この創薬プラットフォームの活用により、COVID-19のMproに対する阻害活性化合物を高確率で取得することに成功しました。また、本プラットフォームの活用により、除草活性に関係する酵素 (アセト乳酸合成酵素)への阻害活性化合物を高確率で取得することに成功しました。さらに、取得した化合物は抵抗性を獲得した変異体に対しても阻害活性を示しました。
Blog記事: AI創薬技術によるSARS−CoV−2プロテアーゼ阻害薬の探索 - PFN Tech Blog
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